万年筆と神経毒

浸潤する言葉を。

日記

神無月の言葉

20231004, Wed 酷く体調を崩していた。精神面でも佳くないことがあって沈んでいたこともあって長引いたのだと思う、熱と絶え間ない苦痛は僕になにもさせてはくれなかった。ただ身体を横にして安静にするだけの日々、少しばかりも楽しさはなく、したくもない…

長月の言葉

20230902, Sat 時に僕は前向きなことを書くけれど、根は暗いままなのでいつだって希死念慮を抱いていて、今も全てを終わりにしたいと考えている。考えずにいられない。頭の中をぐるぐると周遊する生への諦念。水晶体が、銀鱗がまるで小魚のように光を跳ね返…

葉月の言葉

20230803, Thu 七月はただただ酷暑ばかりを置いて去り、陽光に濡れたあらゆる人工物は灼熱を放っていて、エアコンの涼風がなければ死んでしまいそうな八月。水道水のぬるさが、空気の湿り気が、生い茂った緑からの草いきれが、叢樹から響く蟲の音が、アスフ…

文月の言葉

20230701, Sat もう今年が半分過ぎてしまったのだと思うと恐ろしいね、まったく時間というものは勝手に経っていくし、捉えられないものであるから困ったものです。半年を振り返ってみても朧げでまるで僕は今まで何をしてきたのだろうと思うばかり。でも今日…

水無月の言葉

20230602, Fri 時間を経るほどに好きなものが減っていき、嫌いなものが増えていく。自分の快に対する受容性は日々摩耗していき、今はもう履き古した靴の裏側ほどに減ってしまっていて、嫌だという衝撃は感じやすいのに好きだという感情は中々芽生えないので…

皐月の言葉

20230505, Fri Aladdin社のテーブルオイルランプ(アンティーク)を買ったのだけれど、それが昨日届いた。高さは60cmもあってかなり大きい、でもこれがいいのだね。テーブルにちょこんと置けるようなものも考えたのだけれどやはりこういうのは大きくて存在感…

卯月の言葉

20230401, Sat 先月の記事に風邪を引いたと残していたのだけれど、どうやらコロナだったらしい。酷く発熱し、咽喉は糜爛し散々な目に遭った。解熱してから数日経った今でも咳は止まらず、若干の倦怠感が身体の底で滞留し、おまけに嗅覚が失われた。好きなフ…

弥生の言葉

20230301, Wed 花粉症が辛いのです。今日は特に酷かった、一日中鼻水が出続け、くしゃみも止まらず、抗ヒスタミン薬を呑んだというのにこれでは何のための薬なのでしょう。鼻をかみ過ぎて脳はもう常に酸欠状態、ぼうっと熱っぽくてもうこれは風邪ごとしだね…

如月の言葉

20230201, Wed これでも僕は根っからの理系人間なんだよね。昔から、それこそ小学生の頃から理科が好きでテストも理科ばかりは高い得点だったし、一方国語とか英語のような文系科目は苦手だった。科学の未知の世界が好きで別冊ニュートンを買っては読んでい…

睦月の言葉

20230105, Thu 年が新たになったということで月毎の日記のタイトルを少し変えた。これを始めたのは昨年の五月だったけれど、このまま書き続けていたら同じタイトルの記事が生まれてしまうということでこの形に。しかし僕はこのまま日記を書き続けるのでしょ…

12月の言葉

20221203, Sat W杯で湧く世間の一方で僕はサッカーに全く興味を抱けないでいる。日本がどこどこに勝っただとか、奇跡のような勝利だとか、たとえ過去に人生の一瞬が触れた同窓の人間が活躍しているとしてもどうでもいいと思ってしまう。もっともスポーツが…

11月の言葉

20221103, Thu この生命を存続させる意味を問う日々、なぜ自分の人生に保険を掛けなければならいのだろうか、それが責任だと人は言ったが、自然の摂理に任せて生命を終わらせることもまた責任の一つの取り方ではないのだろうか。なぜ、命を縛られているのだ…

10月の言葉

20221001, Sat 頭蓋の裏側にべったりと張り付いて落ちない粘性の憂鬱。何も良いことがないと思いながら過去に記憶を飛ばし、外に視線を遣ることを恐れる。部屋の隅に小さくうずくまりながら身体を震わす子供のように、身体を折り曲げて内側に祈りを捧げる。…

9月の言葉

20220901, Thu 急にベケットの『いざ最悪の方へ』を読み直したくなった。表題作はベケットの言語への絶望が感じられて、とても好きなのだ。意味の無限遠の反復、崩壊しかかったエクリチュール、励起する電子のように様々な位相をとる言葉、言語表現の極北に…

8月の言葉

20220802, Tue 動くものの気配に蒼惶として飛び去るアブラゼミ。ふらふらとした軌道を目で追い、次はどこの木に留まるのだろうかと、なんとなく考える。人通りの少ない、安心できる場所にたどり着くことは可能なのか、番を得ることはできるのかとどうでもい…

7月の言葉

20220702, Sat 楽しみにしていた『秘められた生』の新訳がなされないことを知り、残念に思う。キニャールの言葉はいつだって美しく、示唆に富み、読み返すたびに新たな発見を与えてくれる。中でも『秘められた生』は僕にとって大切な本の一つである。 本棚か…

6月の言葉

20220601, Wed 時に自分が存在してしまっていることに気付き、ハッとする。自分の生がまるで他人事のように思えるのが通常で、時間は流れるように進むが、まれに別地点にワープしたかように自分であることを思う。指先を切り膨らむ赤い玉を見る時や、冷たい…

5月の言葉(日記的なやつ)

20220514, Sat TWININGSのレディグレイが好きだ。柑橘系の爽やかな香りが心地佳く、渋味の少ない味わいはバターをふんだんに使った焼き菓子に特に合う。家には常にティーバッグが常備されており、旅先にでも持っていくほどだ。今も京都のビジネスホテルの一…