万年筆と神経毒

浸潤する言葉を。

執着と金銭と壊れていく人格

先日まで実家に帰省していた。母は更に太り、祖父は物忘れが酷くなり、祖母は偏屈さに磨きがかかっていた。時間の経過がそうさせるのか、あるいはこの三人で暮らしていることが原因なのかもしれない。母と祖父母、特に母と祖母の関係性は断絶の一歩手前で、…

8月の言葉

20220802, Tue 動くものの気配に蒼惶として飛び去るアブラゼミ。ふらふらとした軌道を目で追い、次はどこの木に留まるのだろうかと、なんとなく考える。人通りの少ない、安心できる場所にたどり着くことは可能なのか、番を得ることはできるのかとどうでもい…

7月の言葉

20220702, Sat 楽しみにしていた『秘められた生』の新訳がなされないことを知り、残念に思う。キニャールの言葉はいつだって美しく、示唆に富み、読み返すたびに新たな発見を与えてくれる。中でも『秘められた生』は僕にとって大切な本の一つである。 本棚か…

6月の言葉

20220601, Wed 時に自分が存在してしまっていることに気付き、ハッとする。自分の生がまるで他人事のように思えるのが通常で、時間は流れるように進むが、まれに別地点にワープしたかように自分であることを思う。指先を切り膨らむ赤い玉を見る時や、冷たい…

5月の言葉(日記的なやつ)

20220514, Sat TWININGSのレディグレイが好きだ。柑橘系の爽やかな香りが心地佳く、渋味の少ない味わいはバターをふんだんに使った焼き菓子に特に合う。家には常にティーバッグが常備されており、旅先にでも持っていくほどだ。今も京都のビジネスホテルの一…

他人感/フルグラ、あるいはパフェの底の部分

自分の人生がなんだか他人のもののように感じる。特に最近、その感覚が強くなっている。こうしてキーボードを叩いている今も自分が自分の手を動かしているのではなく、映画のワンシーンでキーボードを叩く指を眺めている感覚に陥る、虚しい。今ならどのよう…

好み/やさしい世界

食べ物の好みの論争の一つに粒餡か漉し餡かというものがある。僕はどちらかといえば粒餡派ではあるのだけれど、かといってどのような食べ物に対しても粒餡がいいというわけでもなく、個人的には大福やおはぎは粒餡、一方で饅頭やあんころ餅は漉し餡が好みな…

『ベオグラードメトロの子供たち』を読んで。(20220311追記)

久しぶりに感想記事を書こうと思い、筆を取った。プレイした作品は隷蔵庫(summertime)様の『ベオグラードメトロの子供たち』、通称べおちる。ただ、断っておくが本作をプレイしたのは昨年の8月——なんと暑い夏だったか!——で、ここにこうしてプレイ当時の心…

人間は難しい/ピスタチオが流行ですが

人間をするのは難しいと常々思う。他人と関わる場合、何をするにしても分かるはずもない相手の考えを読み、ストレスを蓄積しなければならない。息苦しく、まるで水の中にいるようだと思う。喘ぐようにして毎日を生きているが、エラを持たない僕は窒息寸前で…

子供の頃、僕には癖があった。それは『ノートとゴミ箱の話』でも書いたような、人の注目を惹くために自分がまるで虐められているかのような振る舞いをするというものだった。実際、泥を塗られたり、仲間外れにされたりと虐められてはいたが、それ以上に惨め…

あけまして、酢と塩麹は万能調味料ではない

2021年になった。あけましておめでとう。本当は一日に何か書くつもりだったのだけれど、うだうだと長引き、結局十日になってやっと書き始めた。と言っても別段書きたい話題があるわけではないのだけれど。 最近は正月におせちを食べないわが家だけれど、栗き…

2020年の終わりに

もうすぐで今年が終わる。これを書き始めた現在は21時11分なのであと3時間弱で今年が終わるということになる。特に感慨深いことはないが、改めて一年を振り返ると後悔ばかりの一年だったように思う。結局新作を公開することは適わなかったし——しかも全然進ん…

近状報告とその周辺、慈愛と祈りという作品について少し

夏が終わるにつれて一層深まっていく抑うつと希死念慮。最近は(というか最近も)生きるのをやめたいという気持ちが擡頭してばかりで、やる気がなにも起きない。でも本は読むことができているから、まだ大丈夫だとは思う。本当に、何もできなくなってしまっ…

ロゴを一新した

前 後 前のは前でシンプルで良かった。……前の方が良くないか? いや、せっかく作ったしやめるのは嫌だなあ。長く見ていると愛着がわくというし、そのうち慣れるんじゃない? 万年筆と神経毒のロゴを一新した。ロゴを弄っていてなんとなくいい感じのができて…

希薄

現実感が希薄で、どんな喜びも、どんな悲しみでさえも感覚器を掠めただけで消えてしまう。薄膜を隔てた先に世界があって、衝撃はそれに吸収されているのではないだろうか。魂を揺さぶる、この言葉が意味するところが分からない。涙が出るほど感動する? これ…

雑記的なやつ2

Twitterの繋がりなんてボタン一つでどうにかなる空虚なもののはずなのに、溢れている言葉の中には鋭さを持ったものもあり、意図せずとも触れてしまったら簡単に傷ついてしまう。痛い、と思った時にはすでに時遅く、慌ててミュートにしても血がだらだらと流れ…

瞬間の暫定措置と墓

なんか色々と駄目になってしまったので『慈愛と祈り』のDL販売を停止した。どうせ誰も手に取らないからどうでもいいと思うんですけどね。日に日に憂鬱が酷くなり、不眠からくる眠気が取れず、常に疲労困憊で頭痛と吐き気がする。生きていることを身体に拒否…

LINEとブロックと罪悪感と

LINEにはどうしてツイッターで言うところのフォロー解除が無いのだろうか。同じように[ともだちをやめる]のボタンがあってはいけないのだろうか。例えば高校の時の部活の先輩や、ちょっと繋がる必要があって[ともだち]になった人などのもう繋がりが希薄にな…

弱さ

自分が弱っていると感じる時、誰かに甘えたいと思う自分がいる。他人の言葉で、自分からは発せられないような別の言葉で神経を撫ででもらいたいと切に思う自分が。人と触れ合うことを避けて生活しているような僕だけれど、心の奥底では人との交流を希求して…

消したい衝動

色々な物を消してしまいたい衝動に駆られる。身の回りにある物ではなく、ネットにある自分の痕跡のようなものを。だから僕は公開しているゲームを全て非公開にしようとも思った。ツイートを全て消し、いやアカウントも消そうかとも思った。でもしていない。…

雑記的なやつ 1

もうかれこれ一ヶ月は外に出ていないんじゃないかなあ。誇張ではなく、本当に敷地内どころか玄関の外にすら出ていない。異常だ。まるで引きこもりになった気分である。それもこれもコロナのせいではあるのだけれど、元より僕は引きこもりがちな生活を送って…

憂鬱な日々に

昔から僕は自分を虐める傾向にあったように思う。陸上の長距離を中高で続けていたのもそうだし、今は誰に課されたわけでもないにも関わらず自転車通学のタイムトライアルをしているのもそうだ。苦しいのに、どうして自分を虐め続ける。おかしいとは自分では…

解体/破壊

すっかり更新していなかった。何があったのかと言えば別に何があったからと言うわけでもないのだけれど、あえて挙げるとすれば卒論発表があった。その準備で少し忙しかった。なおまだ卒論は提出していない(デッドラインはまだまだ先なのだ)。しかしまあ卒…

明けましておめでとうございます

もう2020年。早いものだなあ、ついこの間はまだコミケの準備であくせくと作業していたというのに、コミケは終わって、新しい年。おかしいなあ、体感ではまだ2019年なのに、カレンダーは2020。もしかしてカレンダーがずれているのかしらん、でもデジタルのカ…

憂鬱な寄る辺

今日はとても嬉しい情報があった、だから僕の心は躍っているはずなのに、なぜか憂鬱だ。でもこの暗くて冷たい気分は少しだけ落ち着く。だが良くない兆候な気もする、でもなんだかどうでも良いような気もする、僕は今、抑鬱気味なのだろう、気分が晴れない。…

内臓の収縮と[amare amabam]

内臓の熱い収縮のせいで息ができなかった。布団をかぶっていたから、吸う息、吐く息どれも熱く、地獄のようだった。でも外の青い空気を吸っても気分は紛れないのだから、むしろ乾燥しているので辛くなった。 風邪を引いた。引いていた。火曜の午後から少し喉…

予定は予定。達成できないことがほとんどで……

本来ならば今月中に新作のシナリオを書き上げたかったのだけれど、どうもそうはいかないようである。というか自分でもシナリオがどの程度の長さになるのか分かっていないのだからいつまでかかるかは未定なのである。もう前作の5万字を超えた、おかしい、外伝…

自己肯定感が低いのは分かっている

ここ一週間のブログのアクセス数が多くて驚いている、というか少しだけびびっている。更新した日でもないのに一日で100を超えた日もあったし、更新した日を除けば一日10もアクセスがあれば異常な僕のブログなのに、この一週間は当たり前のように10を超えてい…

台風の影響って到達する前から大きいものだなあ

可能なら毎日ブログを更新したいし、最低でも一週間に一度は何かを書いてみたいとは思っているのだけれど、実際問題僕はそれほど勤勉ではないので書こうと思ってPCを開いて、しかし何も書くことがないからと直ぐに閉じてしまうのである。何も書くことがない…

風邪引いた。39.8℃、悪夢。

風邪を引いた、というか絶賛風邪に苛まれ中。朝は39.8℃だったのだけれど、今は37.8℃なので熱はだいぶ引いた。けど頭痛がするし、喉は痛いし、鼻のかみ過ぎでひりひりするし、辛いことには変わりない。あと立つと視界がぼやけるし、そもそも立つこと自体辛く…