万年筆と神経毒

浸潤する言葉を。

風邪引いた。39.8℃、悪夢。

  風邪を引いた、というか絶賛風邪に苛まれ中。朝は39.8℃だったのだけれど、今は37.8℃なので熱はだいぶ引いた。けど頭痛がするし、喉は痛いし、鼻のかみ過ぎでひりひりするし、辛いことには変わりない。あと立つと視界がぼやけるし、そもそも立つこと自体辛くてままならないのだけれど、なんとか生きている。人の身体は丈夫だなあ、と素直に感心しながら僕は今このブログの文章を書いている。なぜブログを書いているのだろう、自分でも不思議だ、馬鹿みたいだと思う。でもやることが他にないのだから仕方ないよね、昼間は映画見たし、モンハンは昨日した。今思えば風邪のひき始めで身体がだるいにもかかわらず天天天をソロで作った僕はなかなかに狂気じみていたと思う、でも広島に行っていて、そのうち丸三日は学会に参加していたせいで四日間もお預けを食らっていたのだから仕方がないことだろう、うん、風邪が悪化してもやりたいことがあるだけ充実しているということなんだ、そうに違いない。それに、腰が痛いから。寝すぎたせいで横になると腰が痛む。あるいは変な体勢で寝ていたのかもしれない、あまりにも腰が痛すぎる。どうすればいいのだろう、これでは寝ることが出来ないじゃないか。でも、寝すぎたせいで目が冴えてしまっているのでそもそも寝ることが出来ない可能性もある。これは身体が寝過ぎだと警告したからなのかもしれない。あと、また悪夢を見るのを忌避して睡眠を躊躇っているのだろう。

 風邪を引いている時もそうなのだけれど、基本的に熱にうなされている時は悪夢を見る。見た。僕の見る悪夢は一種類しかなくて、毎回気持ち悪いものを見せられて辟易している。もっとヴァリエーションに富んでほしいよね、じゃないと飽きてしまう。飽きる以前に見たくはないのだけれど。僕の見る悪夢は次のようなものだ。

 何もないまっさらな大地に僕は立っている。360°どこを見ても地平線。そして地面が揺れている。地震ではなく、地面がまるで命を持っているかのように有機的に動いている。その地面は目が粗く、皺だらけで、まるで麻布のよう。ここまではまだいい、まだ悪夢じゃない。悪夢なのはこれからで、地面の目が徐々に細かくなる。虫が蝟集するように、細かく蠢きながら。僕はその様子から目をそらそうと思うのだけれど、首が固定されたようで少しも動けなくて、地面を見つめるしかない。地面が、細かくなる。ザラつきのあるように見えた地面は絹のような細かさになり、触ってみたいと思う。だけど、触れない。身体が、動かないから。僕は地面を見続けている。そして感じる、地面に拒絶されているのだと。僕はこの地面の中に入り込みたいと思った、だけどそんな事はできない。僕は、排撃されているから。眼を閉じようと思った。今更って感じたけれど、名案だと思った。だけどやはり僕は動けなかった。……疎外感を感じたまま延々とこの映像を見せつけられる。一見すると怖くないように思えるのだけれど、経験している僕からすれば酷く恐ろしくて、これを見た日はいつも酷い熱がある。熱で脳の機能がおかしくなってしまうからこんな夢を見るのだろうか。バグ、のようだと思う。熱によって脳がいつも通りの動きができなくなってしまったから、思考の伝達が停滞してしまったから発生する、パソコンで言えばブルースクリーンのようなもの。正しい機能ができない脳が唯一見せることのできる映像。それにしたってなぜ映像を見せるのだろうか、見えないほうがいっそ楽なのに。脳が僕を苦しめようとしているように感じる。僕は、脳にまで嫌われてしまったのだろうか。そうだとしてもなんだか納得できるような気がする、僕は僕が嫌いだから。そして自分のことが嫌いな自分も嫌いだから。何もかも嫌いな僕だから、脳が自分のことを嫌いになってもそれは当然のことなんだ。