万年筆と神経毒

浸潤する言葉を。

このブログについて

筆先より流れ出ますは遅効性の神経毒、痛みを蝕す言葉をお送りいたします。 サークルブログっていう意識はないのだけれど、一応『万年筆と神経毒』というヴィジュアルノベル制作サークルの中の人のブログ。サークルとは言っても構成人数は一人のいわゆる個人…

四月と言葉

20240402, Tue 四月、それは残酷極まる月。何かが始まり、何かが終わる月。記憶と欲情が乱雑に絡まり合い脳の奥底に根を張る月。エリオットの荒地を僕は西脇訳しか読んでいないのだけれど——なぜか西脇順三郎コレクションの三巻だけ持っている——そろそろ岩波…

三月と言葉

20240302, Sat 最近まともに文章を読めていない、読書の能力が格段に落ちた気がする。長時間文章を追っていられない、多分集中できれば問題ないのだけれどその集中が続かない。そもそも何かを楽しむことが出来ていない。まるで内側ががらんどうになってしま…

二月と言葉

20240204, Sun 一年の1/12が過ぎてしまったという事実に戦慄するとともに、過ぎ去った時間の内にどのようなことがあったのかをぼんやりとしか思い出せないことに愕然とする。昨日のことも、一昨日のことも、はっきりとはせずこのままだらしなく過ごしていた…

一月と言葉

20240103, Wed 年をまたぎ、数日が経った。早々に地震や航空機事故といった災難が起こりめでたさなんてまるでない。夜の帳のようで暗澹たる気鬱さがうっすらと漂っているようだ。誰かが言う、新年早々にこれでは幸先が悪いと。しかし日にちなど関係なく、た…

2023年に寄せて

2023年が終わる、今年はあまりブログの方に注力できなかったなあ。特にここ数週間はずっと創作の方にかかりきりでブログを更新する暇がなかった。まったく今年が終わってしまうのが信じられないと思う、あまりにも時間の経過が早い。しかしその分だけ多少は…

師走の言葉

20231203, Sun 左腕に怪我を負った。手首を動かすと痛みが伴ってしばらくは安静にしないといけない。しかしコミケまでにしなければならない作業は沢山あって、頭を抱えたい気分だ。進捗はかなりまずい、でも頑張るしかないのだね。来週にはゲームとして組み…

霜月の言葉

20231103, Fri 今年もあと二ヶ月、随分経過が早いと思う。あっという間に過ぎ去ってしまうからこそ濃密な日にしたいと思っているのに無為にしてしまうのは罪深い、でも避けられない。悲しいね、そんなものだよね。 そういえば今日ちょっと買い物に出た際に警…

Commission

神無月ミズハこと僕に依頼を検討されている方は以下を参考にしていただきたく存じます。 小説執筆やノベルゲーム制作を行っているのでその関連のお話が主になるかと思います。 ただし無用なトラブルを避けるためにも、制作に関する相談といったものは受けか…

シチューにはパンの人だから

シチューとごはんを分けるか否かという記事を読んだのだけれど、掛けて食べる人が案外いることに驚いた。個人的にはシチューを白米に掛けて食べるというのは受け付け難いし、そもそもシチューでご飯を食べること自体が好きになれないなあ。小学校の給食で供…

神無月の言葉

20231004, Wed 酷く体調を崩していた。精神面でも佳くないことがあって沈んでいたこともあって長引いたのだと思う、熱と絶え間ない苦痛は僕になにもさせてはくれなかった。ただ身体を横にして安静にするだけの日々、少しばかりも楽しさはなく、したくもない…

長月の言葉

20230902, Sat 時に僕は前向きなことを書くけれど、根は暗いままなのでいつだって希死念慮を抱いていて、今も全てを終わりにしたいと考えている。考えずにいられない。頭の中をぐるぐると周遊する生への諦念。水晶体が、銀鱗がまるで小魚のように光を跳ね返…

Child of Doppelgänger -Prequel- あとがき的な何か

新作、[Child of Doppelgänger -Prequel-]を世に出してから半月が過ぎた。早くもプレイ報告や感想を頂けて本当に嬉しいです、ありがとうございます。作者冥利に尽きます。 さてこうして筆を執ったのは特に意味がある訳ではなく、単に僕なりにこの作品を振り…

C102

C102にて新作【Child of Doppelgänger-Prequel-】を頒布致しました、多くの方に手に取ってもらえて嬉しいです、ありがとうございました。素人の作った拙い部分の多い作品ではあると思いますが楽しんで頂ければ幸いです。 さて、C102を振り返る記事を書こうと…

葉月の言葉

20230803, Thu 七月はただただ酷暑ばかりを置いて去り、陽光に濡れたあらゆる人工物は灼熱を放っていて、エアコンの涼風がなければ死んでしまいそうな八月。水道水のぬるさが、空気の湿り気が、生い茂った緑からの草いきれが、叢樹から響く蟲の音が、アスフ…

文月の言葉

20230701, Sat もう今年が半分過ぎてしまったのだと思うと恐ろしいね、まったく時間というものは勝手に経っていくし、捉えられないものであるから困ったものです。半年を振り返ってみても朧げでまるで僕は今まで何をしてきたのだろうと思うばかり。でも今日…

水無月の言葉

20230602, Fri 時間を経るほどに好きなものが減っていき、嫌いなものが増えていく。自分の快に対する受容性は日々摩耗していき、今はもう履き古した靴の裏側ほどに減ってしまっていて、嫌だという衝撃は感じやすいのに好きだという感情は中々芽生えないので…

皐月の言葉

20230505, Fri Aladdin社のテーブルオイルランプ(アンティーク)を買ったのだけれど、それが昨日届いた。高さは60cmもあってかなり大きい、でもこれがいいのだね。テーブルにちょこんと置けるようなものも考えたのだけれどやはりこういうのは大きくて存在感…

事実は人を変えられない

実家に帰省した。母がマルチ商法にハマっていた。愚かだね。彼女に私を助けると思って保険に入らないかと勧められ、拒絶すると憤られたんだ。月4,000円だからいいじゃないかと。何を言っているのだろう。どうやら一人勧誘すると2,000円が初回で貰えるように…

卯月の言葉

20230401, Sat 先月の記事に風邪を引いたと残していたのだけれど、どうやらコロナだったらしい。酷く発熱し、咽喉は糜爛し散々な目に遭った。解熱してから数日経った今でも咳は止まらず、若干の倦怠感が身体の底で滞留し、おまけに嗅覚が失われた。好きなフ…

独りになって

独り暮らしをするようになって直に一年が経とうとしている。社会に放り投げられてのことを振り返りはしないのだけれど、この一年で買って佳かったものを幾つか挙げていこうと思う。ありがちな普通の独り暮らしにお薦めのモノ紹介みたいなやつ。 1. 休日は基…

弥生の言葉

20230301, Wed 花粉症が辛いのです。今日は特に酷かった、一日中鼻水が出続け、くしゃみも止まらず、抗ヒスタミン薬を呑んだというのにこれでは何のための薬なのでしょう。鼻をかみ過ぎて脳はもう常に酸欠状態、ぼうっと熱っぽくてもうこれは風邪ごとしだね…

如月の言葉

20230201, Wed これでも僕は根っからの理系人間なんだよね。昔から、それこそ小学生の頃から理科が好きでテストも理科ばかりは高い得点だったし、一方国語とか英語のような文系科目は苦手だった。科学の未知の世界が好きで別冊ニュートンを買っては読んでい…

睦月の言葉

20230105, Thu 年が新たになったということで月毎の日記のタイトルを少し変えた。これを始めたのは昨年の五月だったけれど、このまま書き続けていたら同じタイトルの記事が生まれてしまうということでこの形に。しかし僕はこのまま日記を書き続けるのでしょ…

2022年に寄せて

2022年が終わる。今年、僕は一体何が出来たのだろう、何を残せただろう。人生に意味を与えるようなことを成せただろうか。果たしてかな今年を振りかっても大した起伏もなくただただ平坦に続く道を惰性で歩んでいたようにしか思えない。新作を完成させる心積…

こうなったら人はもう終わりだね。

実家に帰ると家が物で溢れてた。祖母がまた色々な物を生協で買ったらしい。ある一部屋は服と机と椅子とダンボールとよく分からないオーディオプレイヤーでいっぱいになり、また寝室には道が見当たらない。まるで獣道だよ、物のジャングルに現れた荒れた道と…

12月の言葉

20221203, Sat W杯で湧く世間の一方で僕はサッカーに全く興味を抱けないでいる。日本がどこどこに勝っただとか、奇跡のような勝利だとか、たとえ過去に人生の一瞬が触れた同窓の人間が活躍しているとしてもどうでもいいと思ってしまう。もっともスポーツが…

11月の言葉

20221103, Thu この生命を存続させる意味を問う日々、なぜ自分の人生に保険を掛けなければならいのだろうか、それが責任だと人は言ったが、自然の摂理に任せて生命を終わらせることもまた責任の一つの取り方ではないのだろうか。なぜ、命を縛られているのだ…

10月の言葉

20221001, Sat 頭蓋の裏側にべったりと張り付いて落ちない粘性の憂鬱。何も良いことがないと思いながら過去に記憶を飛ばし、外に視線を遣ることを恐れる。部屋の隅に小さくうずくまりながら身体を震わす子供のように、身体を折り曲げて内側に祈りを捧げる。…

9月の言葉

20220901, Thu 急にベケットの『いざ最悪の方へ』を読み直したくなった。表題作はベケットの言語への絶望が感じられて、とても好きなのだ。意味の無限遠の反復、崩壊しかかったエクリチュール、励起する電子のように様々な位相をとる言葉、言語表現の極北に…